カメラは食堂(更衣室)のどこに在ったか
その部屋は私達が食事をする場所ですが、(そこは)私達の更衣室で(もありま)す。私達が普段働く合い間にはそこで休んで、服も着替えます。
記者:事件が発生して1ヶ月近くになります。私にはあなた達の日々が耐え難いものであったと想像できるのですが。
jie:私達皆にこんな状況が続いてきました。今も私の気持ちは乱れていて、あの日を思い出したくないです。
記者:あなた達のそこ(栽培会社)での仕事環境は良かったのでしょうか? これは事件が起きる前の事ですが?
jie:間違い無く良いとは言えないでしょう。例え徳島が日本の田舎と言えどもです。私達は山の上で草花を栽培していましたが、全て大きい温室の中で、とても熱くて、湿っぽくて、多くの蚊が居て−あれは特別大きい蚊でしたね。それにとても長くて赤いムカデ、私達が畑にすきを入れる時−頻繁に土を返すんですが、その時出て来るんです。会社の大きい入り口にはいつも蛇が寝ているのが見られました。ここは蛇がとても多くて、これが一番怖かったです。私達の居たその山中には人がとても少なくて、周りは全て樹林。工事の監督何人かが私達を見に来る事が何度か有りましたけど。社長は(週に)3〜5回間を空けてやって来て、少しだけ見て行きます。私達は1週間に1回だけやっと山を下りられるんで、生活用品を買いに行きました。
記者:山を下りるのにどれくらいかかりますか?
jie:車で1時間半くらいです。
記者:あなたの家に行った記者に聞いたんですが、あなたの家は十二分に裕福な様で、どうして更に研修生としてアルバイトをしようと思ったんですか?
jie:私の家は花の商売をしていますから、私が日本に行ったのはお金の為でなく、主に技術を学ぶ為でした。私はこれに小さい頃から興味を持っていました。そこ(の会社)の条件は厳しかったのですが、私は辛抱できると思いました。ここで踏み出さないと私は呆けてしまうんじゃないかと。
記者:この事件では国内のメディアによって何種類かの言われ方がされていて、一つはカメラが浴室にあると言うし、一つは更衣室だと言うし、食堂だと言うところも有ります。結局カメラはどこに在ったんですか?
jie:入浴する所ではありません。その部屋は私達が食事をする場所ですが、(そこは)私達の更衣室で(もありま)す。私達が普段働く合い間にはそこで休んで、服も着替えます。
記者:食堂が更衣室でもある?
jie:そうです。暑いので汗も多くかきますから、よく入浴します。入浴後は更衣室で扇風機の風に当たってちょっと涼みます。日本の社長が私達の着替える場所にカメラを設置するとは思いもしませんでした。丁度私達が来た時、日本の社長は週に2日間会社に残って当番するのが普通だったのが、事件発覚の少し前からは週に4日間〜6日間家に帰らないで事務室でボーっと…… 
記者:次のこの質問はちょっと残酷かも知れませんが・・あなた達がこのカメラを発見した時、どんな感じでしたか?
jie:最初はちょっとどうして良いか分からなくて、でも段々と自分が侮辱を受けた感じがして来て。私はこの感じを思い出したくないんですが、彼らは目を使って私達を強姦したようなものです。
記者:あなたの感覚は理解できますよ。
jie:その上、どこが私達の見えない所にまだカメラが在るかも知れないし、私達が以降も仕事を続けるなんてどうすれば出来ます?

言いたい事が伝わらず、帰国できない
警察に通報後は私達は自由が無くなりました。私達は酷いホームシックになったけど、尊厳の為に私達は我慢することが出来ました。

記者:通報の後で、社長はあなた達に嫌がらせをし始めた。そうですか?
jie:私達はトイレを除いて寮を一歩も離れる事が出来なくなりました。毎日水と家から送ってもらった干しダイコンや干しナス等で飢えをしのぐだけの生活で、私達は完全に自由を失ったと言うに等しくなりました。また彼らは私達を寮から追い出して、初めは外のホテルを探して住まわせました。私達は勿論嫌だったのですが、次に社長は牢獄と同じ様な小さな家を造って私達を住まわせました。
記者:その家とはどの様な物ですか?
jie:鉄の骨格にベニヤ板を付けて、2日間で建てられるものです。あなたは、それってどういう家なの?と思っているでしょ? この小さい家には水が無く、電気も有りません。入ってるとすれば蛇やムカデかな。いつでも潜り込めますから。その後、領事館が抗議をして私達はやっと住まなくて済むようになりました。
記者:それから、あなた達の中の4人の女性は仕事への復帰を選択しましたが、今も彼女達は日本の会社で何もしないで過ごしている状態ですね。これは彼女達のどういう考えからでしょうか?
jie:彼女達はやはりアルバイトを続けたいのかも知れません。家が比較的困難な状況なので、彼らと闘い続けて何も得られなかった時の事が怖いのでしょう。日本の社長は、もし私達が仕事を再開しないと帰国させると言うし、その上私達の仲介会社も、私達が帰国させられてしまうなら私達が仲介会社へ渡した数万(元)の担保を返さないと言っています。彼女達もこれの事を考えに入れているのでしょう。
記者:あなたは? あなたはどうして屈服しなかったの?
jie:人にはそれぞれの考えが有ります。彼女達はそういう選択をしたけど、私達は今も彼女達と友達です。私達が決めたのは、引き続き争って帰国する事。私達はお金の為に尊厳を売る事は有り得ません。社長は必ず私達に謝らなければならかったんです。
記者:あなたは帰国したかった?
jie:この事件が発生した後は、私は一日も日本で生活したくなかったです。けど、私は帰る事が出来ませんでした。私達がまともな食事が取れなくなった時には、私はこの上無く母の作ったご飯の事を想いました。でも言いたい事が上手く言えなくて、交渉も上手く行かなくて。帰ってしまえば事件は解決しなかったろうし、私は帰国する事が出来ませんでした。私達は酷いホームシックになったけど、尊厳の為に我慢することが出来ました。
記者:もし本当に賠償を得る事が出来なかったら、担保まで損失してしまうが?
jie:例え(賠償を)得られなくて(担保分を)弁償するとしても、私は私の人格を失いたくないんです。カメラの件が発生した後で私達は、自分が自分を尊重して初めて他人を尊重する事ができる、と一層感じたんです。

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